遺族の大変さを見てきた私が身の回りから始めた入念な準備の終活

私が結婚式より多く参列するお葬式に出席後、遺族から届いた手紙には「落ち着いたときに遊びに来てください」と書かれていることがあります。
そんな私が本格的に終活を始めたきっかけは、旦那さんに先立たれ身寄りもなかったおばさんが亡くなったときでした。
主に私の母親が、遺品整理や年金、おばさんの自宅に関する手続きをする姿を見てきました。
とても大変そうな母の姿を見た私は、「自分に何かあったとき、周囲が困らないように、できる準備はしておこう」と思い、少しずつ始めた終活は、現在も続けています。
いろいろな物が残っていると、「両親がつらい思いをする」と考えた私は、まず勢いで衣類や鞄、靴、小物のほか、書類やプリント、年賀状まで整理し、断捨離しました。
きれいな衣類や鞄、縫いぐるみはリサイクルショップに売り、汚れた物は処分しました。
書類やプリントはシュレッターにかけましたが、写真と年賀状の処理が最も大変でした。
紙が分厚い写真と年賀状をシュレッターにかけると、すぐ詰まってしまい、全て終えるまで大変でしたが、根気強く続けた結果、収納していた箱にゆとりができ、すっきりしました。
思い入れが強い書類やプリント、写真、年賀状は、用意した専用の箱に入れておきました。
ただし、この専用の箱に入る量だけ保管し、入らなくなったら、どれかを処分するルールを決めました。
1月の仕事始めの頃、去年の年賀状は処分し、今年の分だけ保管しておく習慣を身につけました。
代理人が手続すると、同意書などの書類が増え大変手間がかかりますが、本人であればスムーズに手続きできるため、「生きているうちに」と思った私は、銀行口座の整理をしました。
通帳を確認してみると、収支の動きがなく、使っていない口座が見つかり、閉鎖の手続きをしました。
携帯電話やスマートフォン、パソコンなどの処分や初期化にはパスワードが必要です。
そのため、メールアドレスやパスワードなどを一覧表にまとめ、印刷したあと親族に渡しました。
お葬式のときに飾ってほしい写真と、お棺の中に入れてほしい物リストを作成し、用意した専用の箱に入れました。
もう1つ用意した専用の箱に入れる両親や親友宛ての手紙を、少しずつ書き始めました。
遺族の人たちの大変さを見てきた私は終活を「やってよかった」と思っています。
何より残された人たちに迷惑をかけないことが最も大切です。
悔いのない有意義な時間が送りたいものです。